「和の心」磨く武術、合気道のルーツを探る<2> 開祖・植芝盛平翁
和歌山県田辺市(CNN) 合気道の創始者、植芝盛平氏の生まれた和歌山県田辺市にある道場で師範を務める五味田聖二氏は、通訳を介してCNNの取材に応じた。それによると幼少期、しばしば「大(翁)先生」とも呼ばれていた植芝氏が地元の警察署で行った合気道の演武を見たことがすべての始まりだったという。
さほど強そうに見えない植芝氏が、大勢の警官らを圧倒する姿に衝撃を受けたのだ。
「神のような存在」
五味田氏は13歳の時に合気道を習い始め、14歳の時に植芝氏の道場への入門が許され、植芝氏の弟子になったという。
1969年に植芝氏が死去した時、五味田氏は29歳だった。植芝氏の指導を16年受けられたことは光栄だったと五味田氏は語る。
偉大な師と過ごした時間はあっという間に感じられたが、有意義なものだったという。
五味田氏は笑顔を浮かべながら、自分にとって植芝氏は神のような存在だったと振り返る。
農家の息子として生まれた植芝氏は、18歳の時に田辺を離れ、仕事や学問のため東京から北海道まで各地を転々とし、再び田辺に戻ってきた。