NYテロ跡地のがれきに「9・11の天使」の姿?
(CNN) 米ニューヨーク・マンハッタン南部の同時テロ跡地に建設された9・11追悼記念館で、跡地から回収された大きな鉄鋼のがれきの表面に人の顔が浮かび上がって見えると話題になっている。このイメージを「9・11の天使」と呼ぶ職員もいるという。
鉄鋼の残骸は長さ約9メートル。2001年9月11日の同時多発テロで崩壊した世界貿易センタービル北棟のはりの一部だったもので、10年以上も風雨にさらされて刻み込まれた影が、人の顔に見えるという評判が広がった。
一般公開されるのは、記念館がオープンする2014年春以降。しかし写真を見た人から「驚愕(きょうがく)した」などの反響が相次ぎ、心を打たれた、神聖なものと信じる、といったコメントも続出している。
一方で、単なる目の錯覚だと一蹴する声もある。脳が作り出すイメージについての著書があるマイケル・シャーマー氏は、人は意味のない物事に意味のあるパターンを見つけようとするものであり、金属片に人の顔が見えるのは、月の中に人の姿が見えるのと同じだと指摘した。
追悼記念館の広報は、「特に9・11同時多発テロのようなケースでは、人は悲劇の中に意味を見出そうとする」「この鉄鋼の残骸は歴史的に重要な収蔵品であり、世界中から訪れる来館者に9・11のことを伝える役割を果たす」と話している。