就任100日目を迎えるトランプ大統領、歴史から分かることとは
前任者たちと比較すると、トランプ氏は、新しい大統領にとって政治的権力が最高潮にあるとみられる時期に、政治課題を実行に移すことに苦労している。
メキシコは「国境の壁」について支払いをしていない。入国禁止令は2度にわたって裁判所に停止された。共和党が上下両院をおさえているが、これを活用できずに医療保険制度改革(オバマケア)の廃止はとん挫した。
米連邦捜査局(FBI)は大統領選におけるトランプ陣営スタッフとロシア政府関係者とのやり取りについて調査を行っている。これを受けて、国家安全保障担当補佐官だったマイケル・フリン氏は辞任した。
支持者からは、移民問題に関する法執行機関の強化や軍事費引き上げの姿勢、化学兵器使用を受けたシリア攻撃などは強いリーダーシップの証明だとの見方が出ている。最高裁判事の任命では、上院で「フィリバスター(議事妨害)」阻止のための規則変更もあったが、ニール・ゴーサッチ氏が承認されている。
歴史を振り返ると、最初の100日間で問題を抱えていたかどうかが残りの任期の明暗を分けるかどうかについては、ざまざまな例がある。
ケネディ大統領はキューバのカストロ政権の打倒を目指したピッグス湾事件で失敗したが、このことが外交政策への取り組み方の変更につながった。