キーレス車で相次ぐ一酸化炭素中毒死、エンジン停止と誤認 米紙
ニューヨーク(CNNMoney) 米紙ニューヨーク・タイムズの13日の報道によると、鍵を使わずにエンジンを始動できるキーレス車で、エンジンが停止していなかったことによる一酸化炭素中毒の死者が2006年以降で少なくとも28人、負傷者は45人に上っていることが分かった。
被害者はいずれも、エンジンは停止したと思っていたという。
キーレス車はボタン1つでエンジンが始動でき、電子キーのリモコンはポケットや財布の中に入ったままになる。米国では2000年代初めごろから登場した。
2015年には、キーレス始動車が関連する一酸化炭素中毒で13人が死亡したとして集団代表訴訟が起こされたが、16年9月に訴えを退ける判決が言い渡された。
しかしニューヨーク・タイムズ紙の13日の報道は、この問題が予想以上に広がっている可能性を示唆している。
米自動車業界の標準策定団体は7年前、エンジンが停止していない場合は警告音を出すなどの対策を自動車メーカーに義務付けることを提案。米高速道路交通安全局(NHTSA)が、この提案に沿った新しい規制案を打ち出した。
ところが自動車業界の反対に遭って、規制は今も実現していない。
2013年にはNHTSAがキーレス始動車の安全対策に関して自動車メーカー7社に対する調査に乗り出した。しかし結論が出ないまま、調査は間もなく下火になったとニューヨーク・タイムズは伝えている。