警官による黒人男性射殺、地方検事が「不合理」と批判 米
アトランタ(CNN) 米ジョージア州アトランタの警官が拘束に抵抗した黒人男性を射殺した事件について、地元フルトン郡のハワード検事は14日、男性が死ぬような事態に発展したのは不合理だと述べた。
死亡したレイシャード・ブルックスさん(27)は12日、飲酒運転の疑いで拘束しようとした警官に抵抗し、警官の銃で撃たれて死亡した。
ハワード氏はCNNとのインタビューで、ブルックスさんは当時だれにも脅威を及ぼしていなかったとの見解を示し、「人が死ぬようなやり取りだったとは思えない」と述べた。
警官が自身や周囲を差し迫った危険から守るという以外の理由でブルックスさんを撃ったとすれば、法の下で正当化される行為ではないとも指摘した。
同氏によると、ブルックスさんの遺体は14日に司法解剖された。捜査当局はさらに目撃談や現場映像などの情報収集を進めている。
死亡したレイシャード・ブルックスさん/Courtesy Stewart Trial Attorneys
警官の起訴をめぐる決定は17日ごろに下される見通しで、罪状は殺人や過失致死の可能性が考えられるという。
発砲した警官はすでに解雇され、市警察のトップが辞任。現場で関与したもう1人の警官は管理部門に移された。
米国では先月から黒人男性が警官の暴力で死亡した事件への抗議運動が広がり、アトランタでもデモが起きていた。
現場のファストフード店が炎に包まれる様子/Ben Gray/AP
その中で起きた今回の事件に、市民から怒りの声が上がっている。13日夜には現場のファストフード店が放火され、周辺の地区では14日未明にかけて大規模な抗議デモが発生。アトランタ警察の報道担当者によると、少なくとも36人が拘束された。