米政府、来月1日にもデフォルトの恐れ 財務長官が警告
(CNN) イエレン米財務長官は1日、米連邦政府の債務が法定上限に迫り、議会が上限を引き上げなければ、米国債は来月1日にもデフォルト(債務不履行)に陥る恐れがあるとの警告を発した。
イエレン氏はマッカーシー下院議長への書簡で、最近の税収からできる限り正確に推定すると、政府の資金繰りは来月初め、早ければ1日の時点で行き詰まる可能性が高いと述べた。
バイデン大統領と下院共和党の間ではここ数カ月、債務上限の引き上げをめぐる議論が紛糾している。バイデン氏は1日午後、上下両院の与野党トップ全員に電話をかけ、9日の会合に集まるよう求めた。
イエレン氏は実際にデフォルトが起きる時期について、「この予想よりも数週間遅くなる可能性もある」と指摘。政府の税収や支出が流動的なので、正確な日付を推定することは不可能だと述べた。
そのうえで、米国が過去のデフォルト危機から学んだ教訓として、上限引き上げを土壇場まで引き延ばせば企業と消費者の信頼感が大きく損なわれ、短期金利が上昇し、米国の信用格付けにも悪影響を及ぼすことになると主張。結果的に国民の家計を困窮させ、世界における米国のリーダーシップを弱め、国益を守る能力にも疑問が生じるだろうと警告した。
議会予算局(CBO)も同日、税収が予想を下回り、財務省の資金が来月初めに枯渇する危険性が高まったと発表した。CBOは当初、7~9月にデフォルトの可能性があるとの見通しを示していた。
米政府の債務が今年1月に上限の31.4兆ドルに達した際、イエレン氏は手元の現金と特別措置により、少なくとも6月初めまでデフォルトは回避されると述べていた。
デフォルトの「Xデー」をめぐっては当初、夏から初秋にかけての時期になるとの見方が強かったが、4月の税収が予想より少なかったことから、さらに早まる可能性が指摘されている。
ただし税収は先週になって急速に伸び、一部のアナリストはXデーの予想を7月後半に修正した。税収がこのまま増えて来月初めを乗り切ることができれば、同月15日には四半期ごとの予定納税、月末には追加の特別措置による手当てが見込まれるため、Xデーまでに数週間の猶予ができると考えられる。