盗難旅券で2人搭乗か――マレーシア不明機のなぞ深まる
(CNN) クアラルンプール発北京行きのマレーシア航空370便ボーイング777(乗客乗員239人)が南シナ海上空で消息を絶った問題で、ベトナムの捜索機が現場付近の海域で油膜を発見した。また、乗客のうち少なくとも2人は過去に盗まれたパスポートを使っており、別人がなりすまして搭乗していた可能性があることが分かった。
ベトナムの国営通信社によると、油膜の帯は南シナ海のトーチュー島の南約140キロの海域に、約10~14キロにわたって広がっていた。マレーシア機の機影は8日未明、この上空付近でレーダーから消えた。
マレーシア航空によると、同機には中国と台湾の計154人、マレーシア人38人、米国人3人を含む227人の乗客が乗っていた。
オーストリア外務省は、搭乗者名簿に記載されていた同国籍の男性について、本人の無事が確認されるとともに、2年前にパスポートを盗まれていたことが分かったと発表した。名簿にはイタリア人男性の名前もあったが、イタリア外務省によるとこの男性も昨年パスポートを盗まれ、マレーシア機には搭乗していなかったという。
管制官らによると現場の当時の天候は良好で、同機から救難信号は発信されなかった。現場周辺では中国やベトナム、シンガポール、マレーシアによる海上と空からの捜索が夜を徹して行われたが、機体は依然として見つかっていない。
米軍も、南シナ海で演習中だった駆逐艦や日本に配備する哨戒機を送り込んでいる。