温暖化の脅威「より明白に」 IPCCが報告書
(CNN) 横浜市で総会を開催した国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は31日、地球温暖化の影響に関する報告書を発表し、対策の重要性を訴えた。
報告書は、温室効果ガスの排出による温暖化の脅威が「ますます明白になっている」との立場から、各国政府に対策を促した。
排出量をただちに削減すれば具体的な気候変動に適応するための時間が確保できるとする一方、対策の遅れは将来の選択肢を減らすことにつながると警告。温暖化の影響が厳しさを増してより広範囲に及び、不可逆的な結果を招く恐れがあると訴えている。
報告書をまとめたIPCC第2作業部会の共同議長、ビセンテ・バロス氏は、気候変動にともなうリスクへの備えを強化することが現在と将来のためになると強調した。
IPCCは気候変動について約1000人の専門家に意見を求め、6年ごとに評価報告書を発表している。昨年9月に公表された第1作業部会の報告書では、世界の平均気温が1950年以降、約0.6度上昇したと指摘。2100年までにさらに温度が上昇すると警告していた。
31日に発表された報告書の概要では、温暖化の具体的な影響を大陸ごと、分野ごとに分類し、緩和策や適応策を提案している。
報告書はまた、温暖化で特に大きな打撃を受けるのは世界の貧困層だと強調。農作物の収穫量減少、自然災害による家屋の破壊といった直接的な影響や、食料の価格高騰、供給不足といった間接的な影響に懸念を示した。