韓国フェリー沈没から1年 深まる家族の悲しみと怒り
ソウル(CNN) 韓国で起きた旅客船「セウォル号」の沈没事故から4月16日で1年がたつ。まだ9人が行方不明のまま、船体を引き揚げるめどもたたず、家族らは政府に対する抗議行動を続けている。
セウォル号は昨年4月16日に沈没し、304人が死亡した。犠牲者のほとんどは修学旅行中の高校生だった。今も行方が分からない16歳の高校生の母親は、「娘は見つかると信じて待ち続けている」と語る。
事故に関連してこれまでに数十人が起訴され、船長だったイ・ジュンソク被告は禁錮36年を言い渡された。それでも事故を引き起こした根本的な問題は解決されていないと遺族らは訴える。
船体の引き揚げは直後から検討されてきたが、技術やコストの問題から実現には至らず、政府はまだ船体を引き揚げるかどうかも決めていない。
海洋水産省によると、引き揚げるとすれば1年半がかりの作業になり、米ドル換算で9100万~1億8200万ドル(約108億~217億円)のコストがかかる見通し。
政府の対応を巡る批判の声も高まり、行方不明者の家族らはソウルの大統領公邸前で抗議運動を展開。犠牲者の多くが住んでいた安山までのデモ行進には遺族など数十人が参加した。