ロシア南部でイナゴが大量発生、農作物を食い尽くす
モスクワ(CNN) ロシア南部でこの夏、イナゴが大量発生し、トウモロコシなどの作物を食い尽くしている。当局は異常事態宣言を出したが、被害を食い止めるのは難しいという。
当局者らによると、これほどの大量発生は過去30年余りの間で初めて。体長約8センチ、羽を広げた時の幅が12センチ近くにもなるイナゴの大群がえさを求めて移動し、少なくとも800ヘクタールの農地などが被害を受けている。
地域全体の作物の10%以上がすでに食い荒らされた。被害は今後も拡大する見通しだ。
国営テレビは、平年を上回る暑さや洪水といった気候変動が原因だと伝えている。
ロシア農業省は異常事態を宣言し、農薬の空中散布を強化した。だが当局者らによると、暑さのせいで農薬の効果が出にくいうえ、大群の移動が速すぎて追いつけないという問題もある。
政府当局者は「カルムイク、ダゲスタン両共和国やアストラハン、ボルゴグラードにはもうイナゴのえさになる作物が残っていない。大群はすでにほかの食料を求めて移動した」と話している。