国境越えた襲撃で2百人死亡、子ども百人拉致 エチオピア
(CNN) エチオピア政府によると、南スーダンと国境を接するエチオピアの集落が国境越しに襲撃され、3月~4月にかけて市民200人以上が死亡、子ども100人あまりが連れ去られた。
特に大きな被害が出たのは今月15日の襲撃で、政府によれば13の集落で市民182人が殺害されたほか、家畜2000頭が盗まれたという。
エチオピア政府は、南スーダンのムルレ族の武装集団が国境を越えてエチオピアに侵入したと非難。襲撃されたのは、両国にまたがって住むヌエル族だったとしている。
武装集団は子どもたちを働かせる目的で拉致したと思われる。この地域では、家畜や土地、水などの資源や牧草権を巡る争いで国境を越えた襲撃が頻発していた。
政府は対抗措置を取ると宣言し、2日間の服喪を発表。軍が武装集団の60人を殺害したとしているが、襲撃側の総数は分かっていない。
現地を視察して首都アディスアベバに戻った同国のレダ通信相によれば、住民は襲撃を受けて避難しており、まずそうした住民を村に戻すことから復興に着手する。
南スーダン政府との関係は良好だとレダ通信相は強調し、同国にも対応を呼びかけていると語った。
南スーダンは2011年にスーダンから独立したが、いまだインフラは整わず、著しい貧困状態にある。2大民族のディンカ族とヌエル族の間では衝突が続き、2013年以来、内戦状態に陥っている。