フィリピン大統領選、過激発言のドゥテルテ氏が優勢
アキノ大統領は全候補者に対して反ドゥテルテ氏で団結するよう呼びかけ、もしドゥテルテ氏が大統領になれば独裁政治が行われかねないと訴えていた。
大統領選ではドゥテルテ氏のほかに、アキノ大統領が後継指名した前内務自治相マヌエル・ロハス氏(58)、グレース・ポー上院議員(47)、ジェジョマール・ビナイ副大統領(73)、ミリアム・デフェンソール・サンティアゴ議員(70)が立候補している。
調査機関ソーシャル・ウェザー・ステーションズの直近の世論調査では、ドゥテルテ氏が支持率33%でトップに立ち、続いてポー氏(22%)、ロハス氏(20%)、ビナイ氏(13%)、サンティアゴ氏(2%)の順だった。
ロハス氏は7日の演説で、「この戦いには私たちの未来と、今のような生活を続けられるかどうかがかかっている」「フィリピンが今やアジアの輝く星になったことは誰にも否めない」と力説した。
フィリピン経済は2000年初めごろから着実に成長を続け、外国で働く労働者の仕送りのおかげで購買力も増している。外交面では南シナ海での中国との対立が続く。
政治評論家のラモン・キャシプル氏はドゥテルテ氏人気について、「同氏は人々の象徴になっている。多くの人たちにとって過去6年は何も起きておらず、同氏は正義の味方というイメージを利用している」と指摘した。