性的虐待を報告しない司教、解任も ローマ法王が示唆
(CNN) ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は4日、児童や弱者の立場にある成人に対する性的虐待の事例を報告しなかった司教は罷免(ひめん)の対象になる可能性があるとする考えを示した。
同法王は書簡の中で、教会法に基づき、違反行為などの深刻な理由があった司教は排除出来る現状を説明。その上で、この理由の最たるものは、性的虐待の報告漏れであることを明確にした。「未成年者や弱者の成人への虐待は、深刻な思いやりの欠如である」とも断じた。
性的虐待の事例を報告しなかった司教らに対しては法王庁当局者が解任出来る司法権を有していると指摘。該当する司教らに辞任を促したり解任の裁定を公に出来るが、最終決定はあくまで法王にあるとし、この決定を下す上で助言を求める法律専門家のパネルを設置したことを明らかにした。
カトリック教会では過去に、聖職者らによる大規模な性的虐待問題が発覚したものの司教らの説明責任が不十分だとして批判を受けていた。虐待の被害者の家族らは法王庁に対し虐待問題でより厳しい対策を講じるよう働き掛けていた。