トルコ、3カ月の非常事態宣言 大統領「脅威取り除く」
イスタンブール(CNN) トルコのエルドアン大統領は20日、15日夜に発生した軍の一部によるクーデター未遂を受け、3カ月の非常事態宣言を発令すると発表した。
発表前には国家安全保障会議が開かれ、閣議で非常事態宣言が承認された。
エルドアン大統領は「非常事態宣言の目的は、できるだけ早期にわが国の民主主義や法の支配、市民の権利と自由に対する脅威を取り去るために最も効果的な手段がとれるようにすることだ」と述べた。
国営テレビに出演したエルドアン大統領は、非常事態宣言は民主主義を脅かすものではないと主張。各県の知事の権限が拡大され、軍は知事の指揮統制下に置かれるという。
また大統領は、軍内部の「ウイルス」は徹底的に退治するとの姿勢を示した。「(クーデターを起こした勢力は)がんのようなもので、トルコという肉体に転移しようとしている。われわれはそれを一掃する」と述べ、国民に結束を呼びかけた。
トルコではクーデター未遂後、軍などを中心に5万人が解雇または停職処分となった。教師、ジャーナリスト、警察、判事に対する摘発の網は日々拡大し、反大統領派を弾圧するための魔女狩りの様相も呈しつつある。拘束された者はこれまでに計9400人を超えた。