台風がフィリピン南部を直撃 死者・行方不明も、7万人避難
(CNN) 台風27号が22日から23日にかけてフィリピン南部ミンダナオ島を通過し、洪水や土砂崩れで多数の死者や行方不明者が出た。台風は23日深夜、同島の西側に位置するパラワン州のバラバク島に再上陸した。
フィリピン赤十字の責任者は156人が死亡し、291人が行方不明になったとツイートしている。同国の災害対策当局は死者75人と発表した。当局はバラバク島の住民にも、同様の強風や大雨に対する警戒を呼び掛けている。
ミンダナオ島ではダムから水があふれ出し、下流の集落に押し寄せた。特に甚大な被害を受けた同島中部の北ラナオ州からのビデオと写真は、住民がロープにつかまって泥流を渡ろうとする姿や、救助隊員が腰まで水に浸かりながら住民らを誘導する姿を伝えた。
フィリピン赤十字によると、ミンダナオ島パヤオで起きた土砂崩れでは4歳の子どもも死亡した。同島ブトゥアンでは強風で刑務所の屋根が破壊され、受刑者1人が死亡した。
国際赤十字によると、フィリピン南部一帯では23日までに7万人以上の住民が避難し、このうち5万人が避難所に収容されている。
北ラナオ州にはイスラム教徒の住民が多い。死者をできるだけ早く埋葬するという教えに沿って、現地では台風が通過する前から墓穴を掘る作業が始まったという。
台風は23日深夜の時点で、最大風速29メートルの勢力を保ち西へ進行。25日にはベトナム南東部の海岸に接近する見通しだ。
フィリピンでは先週末、中部ビサヤ地方が台風26号の直撃を受け、少なくとも27人が死亡したばかりだった。