金正恩氏が訪中か 「謎の」列車が北京に到着
(CNN) かつて北朝鮮の最高指導者が外国訪問の際に使ったのと似た列車が中国に到着し、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が中国を訪問して会談を行うのではないかとの憶測を呼んでいる。
北京の駅に停車している列車の写真や映像は、現地時間の26日遅く、インターネットで出回った。北朝鮮要人が過去に滞在したことのある北京の国賓館は厳重な警備に守られている。
こうした状況から、金委員長が韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領や米国のトランプ大統領との首脳会談を前に、中国を訪れたのではないかとの憶測が広がった。
金委員長は2011年に実権を握って以来、外国首脳と会談したことはない。中国との関係は、金委員長が中国寄りの高官数人を排除して以来、悪化していた。
日本テレビの報道によると、列車は26日午後、北京に到着した。
韓国外務省報道官はこうした報道について、「状況を注視している」と語った。中国外務省は「状況を認識していない」としている。
かつて北朝鮮の最高指導者だった正恩氏の父の金正日(キムジョンイル)氏と、祖父に当たる金日成(キムイルソン)氏は、重装備の列車で中国やロシアを訪問していた。正日氏は死去する数カ月前の2011年8月、モスクワを訪れて当時のメドベージェフ大統領と会談している。
2001年の訪ロにかかわったロシアの元外交官によると、北朝鮮の列車には「美しい女性車掌」が乗務していて、沿線の駅には生きたロブスターや、ボルドーやブルゴーニュなどの赤ワインが輸送されていたという。