米海軍艦、南沙諸島付近を通過 「航行の自由作戦」の一環
(CNN) 米海軍は30日、中国が実効支配する南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島付近で軍艦を航行させた。中国の反発を招くことは必至とみられる。
米当局者2人がCNNに語ったところによると、米軍が展開する「航行の自由作戦」の一環として、誘導ミサイルを搭載する駆逐艦「ディケーター」が南沙諸島のガベン礁、ジョンソン礁から12カイリ以内の海域を通過した。
米軍は同作戦の下、国際法で認められた国家の権利を行使するとして、世界各地の海域や空域に艦艇、航空機を派遣している。これに対して中国は特に神経をとがらせてきた。
南シナ海での前回の作戦では今年5月、海軍艦が南シナ海・西沙(パラセル)諸島の12カイリ内を航行していた。
南沙、西沙の両諸島とも中国が領有権を主張している。これに対して米国は、中国が両諸島を軍事拠点化していると非難してきた。
また米空軍は先週、南シナ海と東シナ海の上空で戦略爆撃機「B52」を飛行させ、中国側がこれに抗議した。
米国と中国は政治、通商、軍事の各方面で対立を深めているが、マティス米国防長官は記者会見で、こうした作戦について「特別なことは何もない」と強調した。