米駆逐艦、日本海で航行の自由作戦 ロシアをけん制
ワシントン(CNN) 米海軍は5日、ロシア沖の日本海で誘導ミサイル駆逐艦「マッキャンベル」を航行させた。「航行の自由作戦」の一環で、ロシア側の反発は必至とみられる。
米太平洋艦隊の報道官はCNNに寄せた声明で、マッキャンベルが「ロシアによる行き過ぎた海洋権益の主張に対抗するためピョートル大帝湾近くを航行した」と説明した。この海域における米国や他国の権利、自由、合法的な利用を守る目的があったとしている。
米海軍の当局者はCNNに、米国は同海域をめぐるロシアの主張を認めていないと指摘。ロシアが沿岸12カイリを大幅に越える海域で権益を主張していると述べた。
ピョートル大帝湾は日本海最大の湾で、ロシア極東ウラジオストクに接している。ロシア海軍太平洋艦隊の拠点でもある。
前出の当局者によると、米国がこの海域で航行の自由作戦を実施したのは1987年以来。当時は旧ソ連が権益を主張していた。
米ロ間では現在、さまざまな問題をめぐり緊張が高まっている。
北大西洋条約機構(NATO)に加盟する29カ国は4日、ロシアが中距離核戦力(INF)全廃条約に違反していると批判。ポンペオ米国務長官は続けて、ロシアが条約を順守しない場合、60日以内に米国の脱退に向けた措置を取ると表明した。
また、ロシア船がウクライナ艦船に発砲して船員を拿捕(だほ)した件をめぐっても、緊張が高まっている。