米財務省、対北朝鮮制裁を発表 人権侵害理由に
ワシントン(CNN) トランプ米政権は10日、北朝鮮の人権侵害を理由に、朝鮮労働党幹部や政府高官ら3人に対する制裁を発表した。
今回の制裁は、米財務省が世界人権デーに合わせて発表した。過去の制裁対象となっていた国家保衛省など政府機関の高官や、朝鮮労働党の幹部などが対象となる。
ムニューシン財務長官は「米国が表現の自由を支持し、検閲や人権侵害に反対する姿勢を示す」との声明を発表した。
財務省は今回の制裁について、「北朝鮮の人たちに対する忌むべき処遇」や、北朝鮮で拘束された末に死亡した米国人学生オットー・ワームビアさんに対する「残忍な扱い」を理由に挙げている。
トランプ大統領は、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との2度目の首脳会談に意欲を示している。しかし今回の制裁発表に先立ち米国は、国連安全保障理事会で北朝鮮の人権問題に関する会合を開くために必要な賛同を得ることができなかった。これはトランプ政権が、北朝鮮の非核化に向けた最大限の圧力政策に関して国際社会の継続的な支持を得ることに苦慮している様子を物語る。