ベルギー裁判所、前国王にDNA検査受けるまで罰金命令 隠し子訴訟
(CNN) ベルギーの控訴裁判所は19日までに、アルベール2世前国王に対し隠し子訴訟をめぐるDNA検査に応じるまで娘と主張する女性に対し1日5000ユーロ(約61万5000円)の罰金支払いを命じた。
認知を迫る女性はアーティストのデルフィーヌ・ボエルさんで、前国王は母親と不倫関係にあり、1968年に自らが生まれたと主張している。
アルベール2世は王妃だったパオラ夫人と1959年に結婚。国王には93年に就任した。2013年に高齢と健康状態を理由に退き子息のフィリップ氏に王位を譲っていた。
ボエルさんは同年に提訴し、控訴裁は昨年10月、主張を認める判断を下した。アルベール2世にDNAの検査結果を提出するよう求めていたが応じてはいなかった。
今回の新たな命令を受け前国王は同裁判所が指名した犯罪化学専門家によるDNA検査に臨むことが義務付けられ、これに従うまで罰金支払いを命じた。
地元のCNN系列局「VTMベルギー」は、アルベール2世の実の娘と確認された場合、ボエルさんには王室令に基づき王女の称号が授けられる可能性もあると報じた。
ボエルさんの要請でDNAの検査結果は法的な手続きが完了するまで公表されない見通し。ボエルさんの弁護士は仏AFP通信に、事態を沈静化しメディアの取材合戦を避けるための選択肢とした。
前国王の弁護士はCNNに、アルベール2世は19日まで国内にいないと説明。20日もしくは21日に接触して対応策を協議する考えも示した。
前国王はこれまでDNA検査は時期尚早としてきたが、決して拒んではいなかったとも指摘。結果が公表されなければ検査を受けない理由はないとして応じるだろうとも述べた。