アゼルバイジャンとアルメニアが停戦合意、ロシア仲介
(CNN) アゼルバイジャン国内に位置するナゴルノ・カラバフ自治州周辺で続く同国軍とアルメニア軍の衝突でロシア外務省は10日、アゼルバイジャンとアルメニアが停戦で合意したとの声明を発表した。
人道目的のためとする停戦は現地時間の10日正午から始まり、捕虜や拘束者、遺体の交換を実施するとした。
戦闘停止の合意はモスクワでの外交協議を経て実現しており、ロシアが仲介者の役割を果たした格好ともなっている。合意内容の範囲はアゼルバイジャンとアルメニアとそれぞれ個別に合意した上で決まったとした。
ナゴルノ・カラバフ自治州に絡む紛争は1994年に停戦合意が一応成立していた。先月27日に再燃した戦闘拡大の原因は明瞭ではないが、双方はいずれも相手が戦端を切ったと非難している。
アゼルバイジャン外務省の報道担当者は、これまでの交戦で民間人少なくとも24人が死亡、121人が負傷し、建物300棟以上が破壊されたとの被害を主張。
ナゴルノ・カラバフ自治州にはアルメニア系住民が多く住み、実効支配する状態が続く。自治州の軍はアルメニアの支援も受ける。ロシアとアルメニアは安全保障関連の取り決めを結んでいる。
一方、アゼルバイジャンは国際社会が同国領と認知するナゴルノ・カラバフ自治州での主権確立を長く主張してきた。