香港居住の外国人、42%が転出を考慮 米商工会議所調査
香港(CNN Business) 香港にある米商工会議所は16日までに、香港に居住する外国人の42%が同地からの転出を考慮あるいは計画しているとの調査結果を発表した。58%は計画などないとした。
香港では中国の政治的な影響力拡大が色濃くなっている。香港を出ることを考えている回答者のうち62%は、中国主導で昨年導入された非愛国と見なす行為を取り締まる国家安全維持法(国安法)への懸念が主要な理由とした。
49%は隔離措置など厳しい新型コロナウイルス対策で旅行の実施や家族への訪問がより困難になったと報告。香港では現在、入境者にホテルで最長21日間の隔離を指示し、必要経費の負担も求めるなどしている。
約42%は香港の将来的な競争力に悲観的な見方を示した。米の保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」は今年、香港を中国の一部と規定し直し、自ら公表している経済的な自由度のランキングの対象国・地域から香港を削除していた。
米商工会議所は、国安法の導入は香港で反外国人の感情を高めることなどにつながったとも分析した。
一方、香港を去る計画などないとした回答者のうちの約77%は高度な生活水準を評価。55%は優れたビジネス環境に触れ、約48%は中国大陸の市場に近い地理的条件が魅力とした。
香港は東西世界をつなぐ重要な国際的なビジネス拠点として重宝され続けてきた。1997年の英国から中国への返還後も相応の自治権が約束されたためその評価に揺らぎはなかった。ただ、米商工会議所はこの位置付けが最近疑問視されるようになったと指摘した。
今回の調査は今月実施されたもので、同会議所の会員1300人以上のうち約325人が参加した。