フランス、原発最大14基の増設計画発表 原子力政策を転換
パリ(CNN Business) フランスのマクロン大統領は13日までに、新たな原子力発電所を最大で14基建設する計画を明らかにした。
うち8基の増設は検討の段階にあるとした。原発の新設計画は、温室効果ガスの排出量を削減させ、不安定なエネルギー価格の影響の緩和を狙っている。
大統領は、電力需要や利用を無期限に延長出来ない現存の原発の行く末などを考慮し、新たな原発を建設する事業を本日から始めるとした。建設は2028年に開始し、最初の原子炉の稼働は35年までに予定している。
マクロン氏は4年前、原発への依存度を減らす政策の一環として12基の閉鎖を約束しており、今回の増設計画は方針の転換となる。フランスでは今冬、原子炉の5分の1以上の稼働が止まる危機に遭遇。エネルギー源確保のため石炭火力に頼らざるをえない苦境に直面してもいた。
フランスのエネルギー移行担当閣僚であるバルバラ・ポンピリ氏は、原発政策の軌道修正は前代未聞のエネルギー情勢の加速化に伴って必要と主張。地元テレビ局「BFMTV」の取材に、「仮に再生エネルギーを大量に開発しても、電力供給の7割を賄う原発があり、我々はこれを最大限利用しなければならない」と強調した。