リシ・スナク氏、スーパーリッチの元銀行マンが有色人種初の英首相に
スナク氏はこれまで、エリートとしての経歴を巡る課題に直面してきた。名門パブリックスクールのウィンチェスター・カレッジとスタンフォード大学で学び、ファッションは高級志向で知られる。これまで米ゴールドマン・サックスを含む銀行やヘッジファンドで勤務した経験を持つ。
インドの富豪の娘である妻の納税免除に対しては、厳しい批判の声が上がってもいた。
今年、スナク氏と妻のアクシャタ・マーシー氏は英紙サンデー・タイムズの長者番付で英国の最も裕福な250人にランク入りした。同紙の推計する夫妻の試算は合わせて7億3000万ポンド(約1228億円)。
一方でスナク氏には、経済の危機に対処した経験がある。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の際には4000億ポンドを支出して経済のテコ入れを図った。具体的には手厚い雇用維持制度や企業向け融資の実施のほか、飲食店の利用の割引などを行った。ただ、こうした景気刺激策には巨額のコストがかかった。
スナク氏は早くからトラス氏の経済政策を批判。これらの政策は投資家や国際通貨基金(IМF)、格付け機関から酷評されていた。
トラス氏と同様減税を支持する立場を取りつつ、スナク氏は実際の税率の引き下げについてインフレを制御下に置いた場合にのみ可能だと指摘。それにはあと数年かかるだろうとの見方を示している。