隣部屋のトコジラミ殺虫剤を吸引、一酸化炭素中毒で死亡 休暇の英国人夫婦
(CNN) 英検視当局は11日までに、2018年にエジプトの高級リゾートで死亡した英国人夫婦の死因について、隣部屋で使用されたトコジラミの殺虫剤を吸い込んだことによる一酸化炭素中毒との見解を示した。
英PA通信によると、18年8月、ジョン・クーパーさん(69)とスーザンさん(63)の夫妻が紅海のリゾート地ハルガダのホテルに滞在していたところ、隣部屋で殺虫剤「ラムダ」を使った燻蒸(くんじょう)処理が行われた。
一部の国では、ラムダは「ジクロロメタン」という物質によって希釈される。この物質は人体に取り込まれると一酸化炭素の代謝生成や吸収を引き起こす。
PA通信によると、燻蒸処理が行われた部屋と夫妻の部屋をつなぐドアはマスキングテープで密閉されていた。
夫妻は夜に自室に戻ったが、翌日、深刻な容体に陥っているのを娘が発見。ジョンさんは室内で死亡が確認され、スーザンさんも数時間後に病院で死亡した。
PA通信によると、英ランカシャー州の上級検視官は死因について、ジクロロメタンを含む殺虫剤の散布で生じた気体を吸ったことによる一酸化炭素中毒との判断を下した。
当時夫妻と一緒に休暇を過ごしていた娘のケリー・オーメロッド氏は検視後に発表した声明で、「今日に至るまで、遺族は何が起きたのか理解に苦しんでいます」「こんな事態になるのを許してはなりませんでした」と述べている。