ローマ教皇、東ティモールを訪問 人口の97%がカトリックを自認
ディリ(CNN) ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(87)は9日、アジア歴訪の一環で、東ティモールに到着した。
首都ディリでは道路に数千人が列を作り、教皇を乗せた車両がゆっくりと移動すると、熱狂した群衆が旗を振った。
フランシスコ教皇は屋外でミサを開く予定。人口の半分以上にあたる75万人の参加に備えて、当局が準備を進めている。
だが、数年前に東ティモールの著名な聖職者が性的虐待に関与していたことが明らかになり、今回の訪問でも聖職者による虐待の問題が影を落としている。
フランシスコ教皇は当局者らに対する演説で、全ての若者に対して健康で平和的な子ども時代を保証するため、あらゆる種類の虐待に対処するよう呼び掛けた。
東ティモールは世界でも最も若い国の一つ。カトリック教会とは深いつながりがあり、インドネシアからの独立を求める戦いには教会が影響を与えた。人口は約130万人で、そのうちの97%がカトリック教徒を自認している。このため、東ティモールはバチカンに次いで世界で2番目に人口に占めるカトリック教徒の割合が高い国となる。
礼拝者に応じるフランシスコ教皇=10日、東ティモール・ディリ/Willy Kurniawan/Reuters
東ティモール政府は教皇の訪問にあたり、1200万ドル(約17億円)を割り当てたが、アジアの最貧国の一つである同国にとっては大きな負担だ。
今回の訪問では、教会での性的虐待と、フランシスコ教皇がこの問題を直接取り上げるかどうかについて、新ためて注目が集まっている。
フランシスコ教皇は過去の海外への渡航の際に虐待の被害者と面会することもあった。今回の訪問にあたり公式のプログラムには含まれていないものの、専門家からは、教皇が東ティモール滞在中に虐待の問題について言及すれば国内や周辺国の被害者やまだ名乗り出ていない人たちにとって強力なメッセージとなるとの指摘が出ている。