古代の馬の遺骸が見つかる イタリア・ポンペイ遺跡
(CNN) 世界遺産に登録されているイタリアの古代都市ポンペイの遺跡でこのほど古代の馬の遺骸が見付かったとポンペイ考古学公園が発表した。
同公園の責任者によると、遺跡で考古学者が特別な石膏(せっこう)固定技術を使って馬の遺骸の再現に成功したのは初めて。馬の種類についてはサラブレッドの可能性が大きいとした。
イタリア南部ナポリ近郊にあるポンペイは西暦79年、ベスビオ火山の大噴火で火山灰などの中に埋もれたとされる。
馬の遺骸が見付かったのは、農場として使われていた、ポンペイ北部の広大な壁に囲まれた土地に建っていた別邸の場所だった。別邸の保存状態は特に良好だったため馬の骨格の大部分が残る結果になったとしている。
同じ場所からはベッドやベッドカバーに使っていた布地の残りも見付かった。布地の分析から別邸の一部に奴隷が住んでいた可能性もあるという。
ポンペイ遺跡では長年、洪水の被害、過剰な観光行政や保存対策の不備の影響で遺物などの劣化が目立っていた。
遺跡の腐朽や崩壊、観光客の訪問を阻止する労働争議の発生などは国際的なニュースにもなっていた。構造物の崩落は貧弱な保存対策が原因ともされている。