(CNN) トランプ米大統領が就任前に住んでいたニューヨークの高層ビル「トランプタワー」のドアマンだった男性が、トランプ氏の不倫と隠し子について口外しないよう米タブロイド誌の発行元と契約を結んでいたとされる問題で、男性の弁護士は24日、この契約が最近解消され、男性が秘密保持の義務を解かれたことを明らかにした。CNNは署名入りの契約書を独占入手した。
契約は2015年11月にトランプタワーの元ドアマン、ディーノ・サジュディン氏と、タブロイド誌「ナショナル・エンクワイアラー」の発行元、アメリカン・メディア社(AMI)との間で結ばれたとみられる。
同氏が「トランプ氏の婚外子に関する情報をAMIに提供する」という内容。トランプ氏は元家政婦と関係を持ち、子どもも生まれていたとされる。
契約には、AMIがサジュディン氏からこの情報の独占的な版権を3万ドル(現在のレートで約330万円)で買い取ること、同氏が契約を破った場合はAMI側に100万ドルの違約金を支払うことなどが明記されている。
サジュディン氏の弁護士がCNNに語ったところによると、同氏はこれまで違約金を恐れて契約の件を口外できずにいたが、AMI側が最近、契約解消に応じたという。
同弁護士は、AMIが不都合な情報をもみ消すために版権を買い取る「キャッチ・アンド・キル」という手口を使っていたとの認識を示した。AMIのデービッド・ペッカー最高経営責任者(CEO)はトランプ氏の友人だ。
この契約については、米誌ニューヨーカーが今年4月、「未締結の契約書」を入手したと報じていた。CNNがこのほど入手した契約書にはサジュディン氏の署名がある。AMIは当時、同氏の話に信用性はないと主張していた。