トランプ政権でワクチン分配計画なし、新政権がゼロから作成
(CNN) トランプ前政権から引き継ぐべき新型コロナウイルスのワクチン分配計画が何もない状態が判明し、バイデン大統領率いる新政権がいちから築き上げる手間を強いられていることが23日までにわかった。
関係筋がCNNに明らかにした。トランプ政権の「全くの無能ぶりを裏付けるさらなる材料だった」などと振り返った。
バイデン新政権はコロナ禍の苦境を改善し、米国民へのワクチン投与を飛躍的に加速させることを公約。しかし、新政権の新型コロナ対策の作成の経緯を直接知り得る立場にある関係筋によると、バイデン氏の就任直後の数時間内にトランプ政権下では分配計画がほとんど存在していなかった事実が突きつけられたという。
政権移行期間で新政権が受けた最大の衝撃の1つだったと指摘した。米国内では数週間前、多くのワクチンの使用が既に承認されていた。
バイデン氏は感染拡大を鈍らせ、就任後の最初の100日間で1億回分のワクチン接種を実現させることを最優先の政策課題と主張。
CNNは以前、新型コロナに関する新政権の最も緊急な懸念事項は可能なワクチン供給の問題、連邦政府と地方政府の協力態勢、地方政府に必要な資金繰り、人員確保や他の資源の調達と伝えていた。新政権はまた、変異型ウイルスの出現を警戒しているともした。
トランプ政権下で承認を受けた2つの新型コロナウイルス感染症のワクチンは、20日時点で約1650万回の接種にとどまる。政権が掲げた昨年末までに2000万回の目標には程遠い状況となっている。
一方、ファウチ米国立アレルギー感染症研究所長は記者会見で、バイデン政権がゼロからワクチンの配布計画を立てなければならないとの考えを否定した。
ファウチ氏は「配布で現在継続中の活動がある」と述べ、バイデン政権は既存の取り組みを大幅に拡充していると言及。「新しいアイデアも出てきていて、前政権からのアイデアもいくつかある。それが全く使い物にならないというわけではない」と言い添えた。
情報筋によると、バイデン氏の移行チームは就任日前、トランプ政権から重要な情報や協力を得るのが難しく、政権の新型コロナウイルスやワクチンの対応に対する批判が行き過ぎないように配慮していたという。
政権移行が実現した今、バイデン政権は前政権の実施項目や未実施の内容の正確な把握を進め、全米のワクチンの配布や接種の進捗(しんちょく)状況を確認する予定。