英蘭石油大手シェル、米アラスカ沖で予備掘削に着手
(CNN) 英蘭系メジャー(国際石油資本)のロイヤル・ダッチ・シェルは9日、米アラスカ沖での予備掘削を開始した。
同社は同日発表した声明で、「アラスカの外側の大陸棚に埋蔵されている可能性がある石油と天然ガスを調査するための6年越しの努力が実った」と述べた。チュクチ海での掘削を継続するほか、ボーフォート海での掘削も準備するという。
米政府は先月30日、シェルに対して、噴出防止装置の設置を含む制限的な予備掘削を許可していた。政府は以前からアラスカ沖の北極海での掘削を認める方針だったが、2010年の英BPによるメキシコ湾原油流出事故を受けて、計画の再検討が行われていた。同事故では11人の作業員が死亡、3カ月近くにわたり原油流出が続いた。
掘削現場に近いポイント・ホープ市の市長は、「我々が生きていくために必要な動物や気候への影響が心配だ」と環境などに対する影響を懸念する。一方、シェルは北極海での掘削作業について、適切なステップを踏んで行うと説明している。
北極海に埋蔵される資源について、米地質調査所(USGS)は、原油が900億バレル、天然ガスは1700兆立方フィート(約48兆立方メートル)あると試算している。
北極海での氷の縮小が進めば、同地域での資源探査がさらに進む可能性がある。