IMF前トップ、性的暴行訴えた女性との和解成立
ニューヨーク(CNN) 国際通貨基金(IMF)前専務理事のドミニク・ストロスカーン氏から性的暴行を受けたとして、ニューヨークのホテル従業員、ナフィサトゥ・ディアロさんが起こしていた民事訴訟で、和解が成立した。同市ブロンクスの裁判所が10日、明らかにした。
ディアロさんは昨年8月にホテル客室で受けた暴行で心身ともに被害を受け、名誉を傷付けられたとして、ストロスカーン氏に損害賠償を求めていた。和解の条件は公表されていない。
ディアロさんは裁判所で記者団に「世界中の皆さんと神様に感謝します」と語った。担当弁護士によると、ディアロさんは暴行で肩を負傷し、今も職場に復帰できていない。
ストロスカーン氏の弁護団は裁判所での取材に応じなかったが、その後「問題解決に至ったことに満足している」との声明を発表した。
同氏が性的暴行や強姦未遂の罪に問われた刑事裁判では、ディアロさんが虚偽の供述をしたとして検察側が起訴を取り下げていた。
ストロスカーン氏の方がディアロさんに100万ドル(約8200万円)の損害賠償を求めた裁判は依然として係争中。同氏は今年3月、フランス当局に売春あっせんでも起訴されたが、弁護団は「背景に政治的意図がある」と主張している。
同氏は昨年まで仏大統領選への出馬を目指し、サルコジ前大統領の後継者として有力視されていた。