米MS、デルへ最大30億ドル出資か 米メディア
ニューヨーク(CNNMoney) ソフトウエア大手の米マイクロソフト(MS)が大手PC(パソコン)メーカーの米デルに10億~30億ドル(約880億~2650億円)の出資を検討している。米CNBCテレビが23日までに報じた。デルは業績不振が続いて上場廃止の観測も浮上している。
マイクロソフトが10億~30億ドルを出資した場合、現在のデルの時価総額230億ドルで換算すると、4~13%を保有することになる。
一方、デル創業者のマイケル・デル最高経営責任者(CEO)の保有分は16%(35億ドル相当)あり、マイクロソフトの出資を受けたとしても、同社を上回る経営権は維持できる見通し。
デル、マイクロソフトとも、この件についてのコメントを避けた。
デルへの出資はマイクロソフトの戦略的にも理にかなう。同社は最新版のOS(基本ソフト)「ウィンドウズ8」に多額を投じてきたが、PCとタブレット端末の販売は伸び悩んでいる。もしデルに対して直接的な影響力を行使できれば、自社の構想に沿ったウィンドウズ8の搭載端末をデルに製造させ、ライバルに対抗できる。
例えば、現在デルのタブレット端末はウィンドウズ8のみを搭載しているが、今年半ばになっても不振が続いた場合、マイクロソフトと競合するグーグルのOS「アンドロイド」に目を向けるかもしれない。
アップルはソフトウエアとハードウエアの両方を統制するモデルで実績を挙げている。グーグルも昨年、通信機器大手の米モトローラ・モビリティを買収した。同社に高性能端末を製造させ、アンドロイドの推進につなげる計画だ。