ビル・ゲイツ氏、「次世代コンドーム」の開発を応援
(CNN) 米マイクロソフト会長のビル・ゲイツ氏が、ソフトウエアでもハイテク機器でもなく、優れたコンドームの開発を呼びかけている。ゲイツ夫妻の慈善財団「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団」は26日までに、「次世代コンドーム」を開発した人物に10万ドル(約940万円)の創業資金を援助すると発表した。
対象となるのは「快感を保持あるいは高めて日常的な利用の促進につながる」コンドーム。創業資金に加えて100万ドルを出資する可能性もある。
同財団の狙いはエイズウイルス(HIV)感染を食い止めることにある。コンドームは感染防止の効果的な手段として使用が奨励されている。しかし快楽が損なわれるという理由で使いたがらないカップルが多く、結果として「受け入れがたい代償」に結びついていると財団は指摘する。
国連合同エイズ計画(UNAIDS)の2012年の統計によると、世界のHIV感染者は3400万人。うち約半数は自分の感染に気づいていないという。
コンドームの場合、医薬品と違って「大規模な臨床試験は要求されず、製造能力や宣伝、流通網も整っている」と同財団。新素材を使った新しいコンセプトデザインが生まれれば、すぐにも試作品を制作してテストに踏み切りたいと期待を寄せる。
ただし優れたコンドームの開発は口で言うほど簡単ではないかもしれない。コンドーム状のものが最初に使われたのは、紀元前1350年のエジプトだった。以来ずっと、人類はコンドームについて文句を言い続け、改善を試み続けている。