「レイプ」Tシャツの販売元が廃業 ミスが命取りに
しかし同氏のもとには抗議のメールが殺到し、1日400件入っていた注文は100件に減った。3週間後にアマゾンでの取り扱いが再開してからも、それまでランキングのトップにいた実績が消去されてしまったため、売れ行きは回復しなかった。
ファウラー氏は自身の報酬を辞退し、6人いた社員のうち3人を解雇。3万5000ドル(約340万円)の私財を投入して生き残りを図った。
しかし同社の経営は悪化の一途をたどり、今月起きた出荷トラブルをきっかけについに破たんした。「米国行きのチケットが買えないので、社員には電話で伝えた」という。
本社に残ったコンピューターや発送設備、Tシャツの印刷機などは売却し、代金を社員らと分ける。運送業者やTシャツ仕入れ先に対する12万5000ドルの負債は、同氏が少しずつ返済するという。
だがファウラー氏は、これでビジネスをあきらめたわけではない。すでに染物の工房を開設し、メルボルンの友人らとTシャツ印刷に乗り出す計画も立てているという。「3人の子どもと専業主婦の妻のためにも働かなければならない。私は起業家。また一から始めるだけだ」と話している。