ベンチャーの旗手は「塀の中」から 米刑務所で起業家育成
「つながる」ためのテクノロジーも学ばなければならない。刑務所が位置するのは、フェイスブックやツイッターといったテクノロジー大手の本社から車で1時間足らずの場所。それにもかかわらず、多くの受刑者は、交流サイト(SNS)に接続した経験もない。
社会から隔絶された環境にある受刑者にとって、ソーシャルメディアが果たす役割は大きい。
現在は運用エンジニアとして働くケニヤッタ・リール氏も、同プログラムで成功しチャンスをつかんだ1人だ。
リール氏が20年近く前に収監された当時、最新鋭の機器といえば折り畳み式の携帯電話だった。同氏は「私達は単なる犯罪者ではない。本当はどういう存在なのか、ソーシャルメディアが声をあげる場を与えてくれた」と話す。
同プログラムを修了して出所した受刑者の6人のうち5人は、ITベンチャーでインターンまたは職員として働いている。6人目はウェブ・コンサルタント企業を立ち上げた。
ラストマイルのプログラムは、出所後の仕事に悩む多くの受刑者にとって、社会復帰の第一歩だ。その成功は大きな注目を集めており、すでにロサンゼルス郡刑務所でも同様の試みが行われている。レドリッツ氏によると、似たようなプログラムが各地で進行中だという。