ロシアの食卓から消える? 欧米産食品の禁輸

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ロンドン(CNN) ロシア政府は先週、マレーシア航空MH17便の撃墜事件後に欧米などから科された経済制裁への報復として、欧州産チーズ、米国産の鶏肉、ノルウェー産の海産物など、多品目にわたる食品の輸入禁止を発表した。

欧州連合(EU)のデータによると、欧州の昨年の対ロシア食品輸出は158億ドルで、同地域の農産物輸出全体の約1割を占めている。品目別では、豚肉が16億ドル、チーズ・カード(擬乳)が13億ドルとなっている。

また米国の対ロシア食品輸出は13億ドルで、特に鶏肉などの家きん肉の輸出が約3億1000万ドルと、全体の4分の1を占めている。

ロシア人は輸入食品を好むが、外国産食品の禁輸の影響は、単に輸入食品が食べられなくなるという不便さだけではない。ロシアは世界第5位の農産物輸入国で、現在も外国からの食料供給に依存している状態だ。欧州委員会のデータによると、ロシアの農産物の貿易赤字は昨年、260億ドルにまで拡大した。

ロシアの市場から数十億ドル分の食品が消えれば、食品価格が上昇する可能性が高く、専門家は、すでに7.5%と高水準にあるロシアのインフレ率がさらに上昇すると見ている。

ただ、食品の中でも欧州産ワインや蒸留酒、さらにパン、パスタ、シリアルは禁輸の対象外となっている。EU加盟国が昨年ロシアに輸出した蒸留酒の総額は約10億ドルで、ワインは7億3300万ドルに上る。仮にロシアがこれらの品目の輸入も禁止すれば、欧州経済にとって大きな打撃となる。

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