「ナッツ事件」で大韓航空の前副社長に実刑
ソウル(CNN) 大韓航空の副社長だった趙顕娥(チョヒョナ)被告が機内でのナッツの出し方に腹を立てて同機を引き返させた「ナッツ事件」で、韓国の裁判所は12日、同被告に懲役1年の実刑判決を言い渡した。
趙被告は昨年12月5日、ニューヨークのJFK空港で国際便のファーストクラスに乗客として搭乗。乗務員がマカデミアナッツを皿に入れず、袋のまま出したことに腹を立て、同機をゲートに引き返させて乗務員を降ろさせた。同機は11分遅れて目的地に到着した。
判決では、趙被告の行動が航空業界の発展を脅かし、乗客に迷惑をかけたと断定。航路を変更させて運航を妨害した航空法違反に当たると認定した。
さらに、趙被告は同機をまるで自分の自家用車のように扱ったと批判し、乗客だった同被告が乗員を差し置いて命令を出すことはできないと指摘した。
緑色の囚人服姿で出廷した趙被告はうつむいたまま、「どうしたら許されるのか分からない」とつぶやいた。
この事件を巡って客室乗務員は、趙被告の言動について口を閉ざすよう大韓航空の幹部から圧力をかけられたと証言していた。検察側は公判の中で、組織的に隠ぺいを図る動きがあったと指摘した。
この幹部も捜査妨害の罪で有罪判決を言い渡された。
趙被告が大韓航空の趙亮鎬(チョヤンホ)会長の娘だったことなどから韓国では怒りの声が噴出。趙被告は事件の数日後に副社長職を退いて謝罪していた。