企業の経営陣に女性が増えない理由は? 米
ニューヨーク(CNNMoney) 米国企業で経営級の幹部に昇進する女性が少ない状況が続いている。コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーなどの推定では、上級副社長クラスで両性の平等が実現するまでにはあと約25年、CEOなどの最高責任者クラスでは100年以上かかる見通しだ。
女性の昇進が少ない理由はこれまで、男性よりも女性の方が離職率が高いことが主な要因と思われていた。しかし118社の従業員3万人を対象にした今回の調査では、女性の離職率が男性よりも高い傾向は見られなかった。
報告書では女性の経営幹部への昇進を阻む要因として、以下の理由を挙げている。
1.女性は事務職や人事、法務、ITなどの職種に就くことが多く、収益を生み出す主力事業は男性に偏る傾向がある。最高責任者クラスは主に主力事業の経験者が就任している
2.女性は男性に比べて経営幹部に昇進しようという意欲を示さない
3.女性は女性のみ、または両性の交わる職業ネットワークを形成する傾向があるのに対し、男性は男性のみでネットワークを形成する。「このため男性は経営幹部に昇進する確率が高まる一方で、女性は後ろ盾になってくれる上級幹部と接触する機会が少ない」(同報告書)
性差別についての認識では両性の間で大きな開きがあった。「女性は男性よりも昇進のチャンスが少ない」と答えた女性は、男性の4倍に上る。
一方、男性も70%が「性別の多様性は大切だと思う」と答えたものの、「女性は男性よりも昇進のチャンスが少ない」という回答は12%にとどまった。