ロボット普及、労働人口の半数の職奪う可能性 米英で
ロンドン(CNNMoney) 英国の中央銀行であるイングランド銀行は15日までに、職場でロボットの普及が進み、今後10~20年内に米国では約8000万人、英国では約1500万人が職を奪う可能性があるとの見方を示した。
両国の労働人口比ではそれぞれ約半数に相当する。ロボット進出で最も影響を被る職種としては管理や事務、生産部門などを挙げた。
同銀の首席エコノミストは、コンピューター技術の発達で以前は人間のみが可能と考えられていた職種が自動化の波に洗われつつある事例を指摘。ロボットの進出はこれとは違った側面を持つとし、「ロボットは人間の手だけでなく頭脳の代わりにも成り得る」と強調した。
その上で、ロボットの職場への進出が直ちに人間の失業の急増につながるわけではないとも説明。「人間はロボットに対する優位性を維持する仕事に自らの技能を調節していくだろう」とも予想した。
人間の歴史において技術革新が職場を急変させた例は過去にもあると主張。産業革命の時代に、多くの手作業の労働者が技能を向上させ、より熟練した仕事に成長させた前例も紹介した。
ただ、ロボット技術の進展はこれとは違った展開を招く可能性もあると指摘。知能に優れたロボットの誕生は技能が中間レベルの職種を奪い、人間に残された仕事は低技能もしくは高度な技術を必要とする職種のみになりつつあると分析。ロボットが優秀になればなるほど、人間の技能しか処理出来ないとされてきた仕事の範囲がさらに縮小する可能性があると警告した。