香港上場企業の会長が行方不明 投資スキャンダルの渦中
香港(CNNMoney) 香港の上場企業、意馬国際控股有限公司の会長が10月半ばから行方不明になっていることが19日までに分かった。同会長は自身が設立した希少金属の取引所を巡り、巨額の投資スキャンダルの渦中にあった。
単九良会長は10月15日に意馬国際控股有限公司の役員会議に出席したのを最後に、それ以降すべての会議を欠席。同社は証券取引所に提出した書類の中で、「単氏の所在について、本人からも政府当局からも全く通知を受け取っていない」としている。
単氏は、自身が2010年に設立した「汎亜有色金属交易所」をめぐるスキャンダルで焦点となっている。同取引所では、電子機器に使用される銀やタングステンといった金属を取引しているほか、投資商品も販売。最盛期には、投資家20万人あまりの資産430億元(約8060億円)を扱っていた。
だが今年7月、そのうち少なくとも270億元が同取引所により凍結された。年13.7%の運用益を見込めるとしていた金融商品からの支払いも止まった。さらに同取引所は今夏、中国の株式市場が暴落したのと同時期に運営を停止。被害を受けた投資家は返金を求め、相次ぐ抗議行動を起こしていた。
同取引所はこれ以前から、規制当局の捜査の対象となっていた。
単氏の他にも中国では最近、金融業などの企業役員が相次いで失踪している。詳細は不明だが、身柄を拘束されている場合、多くはインサイダー取引に関与したとして反腐敗運動の一環で捜査を受けている。
中国当局は今夏の株式市場の暴落をめぐり、風説を流布して相場を違法に操作したとして、金融企業の役員らを相次いで逮捕していた。