アイスランド、国名の商標権で英企業を提訴 地元企業使えず
ロンドン(CNNMoney) アイスランド政府は26日までに、英国の食品スーパー「アイスランド」のチェーン店名の商標権を無効にする訴えを欧州連合(EU)の知的財産庁に起こした。
この商標権の存在でアイスランドの地元企業が製品の販売や宣伝を進める上で、国の名前が使えない弊害が生じていると主張している。
アイスランド政府は声明で、同スーパーを展開する「アイスランドフーズ」はこれまで提供商品やサービスが競合しないアイスランド企業に対しても強引なまでにも法的措置などを講じ、社名の一部などにアイスランドの名前を使うことを阻止してきたと主張した。
アイスランドフーズが持つ「アイスランド」の商標権は欧州の広い地域で登録され、その事業活動は過去46年間続いている。
同社は、国としてのアイスランドと同社の事業活動の間で混乱が起きかねない分野では自らの既得権を積極的に守るとの立場を表明。同社の言い分が非現実的で容認出来ないとする主張にも反駁(はんばく)した。
総人口が33万人をわずかに超える島国であるアイスランドは、火山、間欠泉、山岳や氷河などを売り物に観光客の人気を集めている。2008年には金融危機に襲われて大きな打撃を受け、一部の銀行が倒産する被害も出ていた。