英GDP成長率、1~3月期0.3%増に減速
ロンドン(CNNMoney) 英国統計局は30日までに、今年の第1四半期(1~3月)の国内総生産(GDP)は前期比で0.3%増を記録したと発表した。
市場予想を下回る水準で、低調な小売売上高やホテルの部屋利用や交通費などを含む個人消費の落ち込みが要因としている。昨年6月の欧州連合(EU)からの離脱を決めた国民投票以降の通貨ポンド安を受けた消費者物価の値上がりも響いた。
0.3%増は過去1年では最低の水準。昨年10~12月期の第4四半期の0.7%増からも減速した。
英国の消費支出はEU離脱決定後も一定に堅調で市場を驚かせる材料となっていたが、今年の第1四半期の数字はこの傾向に変調が現れた始めた証左とも受け止められている。国際通貨基金(IMF)は英国経済の今年の成長率を2%と予測していたが、達成が難しい状況となってきた。
ただ、0.3%増の発表を受け、英国が景気後退期に差し掛かっていることを否定する見方もある。ドイツのベレンバーグ銀行の上席エコノミストは英国経済の成長は8年目に入っており、労働市場も完全雇用状態になっていると指摘。ただ、同銀はEU離脱が英国の長期的な経済成長にもたらす影響について平均成長率が2.2%から1.8%に下落するとも予想している。