米NY市、前職の給与に関する質問が違法に 賃金格差是正へ
ニューヨーク(CNNMoney) 米ニューヨーク市のデブラシオ市長は7日までに、市内の企業による新規採用の面接などで前職での給与額を尋ねることを違法行為と位置付ける新たな法案に署名した。同法は今年10月から発効する。
新法は、男女別の報酬額で女性が男性より低くなっている現状の是正を狙ったもの。前職での給与額の質問を許せば、採用後の報酬額を決める上で参考材料になる可能性がある。特に女性は男性ほど給与水準で交渉しないとされ、それだけ不利の立場を強いられ、既に存在する性別の給料格差の解消につながらないと指摘されている。
全米州議会議員連盟によると、ニューヨーク市と同様の法案を検討中の州はカリフォルニア、ジョージアやバーモント各州を含め20州以上ある。マサチューセッツ州とフィラデルフィア市では既に発効している。
雇用者側の立場を代弁する機会が多いニューヨーク市の弁護士事務所は同市の今回の新法は企業の雇用対策を変質させ、求職者との給与交渉で新たな局面を開く可能性があると指摘。ニューヨーク市内の企業は同じく事業を展開する他の都市でも同様の雇用対策を打ち出すなどしてその波及効果が広がる可能性にも言及した。