中国・広東省、「ゼロコロナ政策」に3年で2.8兆円支出

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中国・貴州省畢節市の路上を消毒する作業員=2022年9月18日撮影/CFOTO/Future Publishing/Getty Images

中国・貴州省畢節市の路上を消毒する作業員=2022年9月18日撮影/CFOTO/Future Publishing/Getty Images

香港(CNN) 中国の地方政府の多くが、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の対策に充てた巨額の費用について明らかにしている。国営メディアはかねて、同国による「ゼロコロナ政策」からの突然の転換について、コストの増大が主要な理由との見方を示唆していたが、そうした報道を裏付ける状況となっている。

今月8日、中国は国境を再開し、新型コロナを重大な感染症として扱う管理体制を公式に格下げした。新華社通信は同日の記事の中で、指導部がコロナ政策に対する認識を変更した主要な理由に言及。「コロナウイルスの撲滅が困難であること、コロナ予防と感染抑止に投じる社会的コストが上昇していること」を挙げた。

国内最大の経済規模を有する広東省は、2020年からの3年間でパンデミックの予防と抑止に計1468億元(約2兆8000億円)を費やした。13日に公表された省の予算報告書で明らかになった。これらの資金は新型コロナ検査やワクチン接種、数多くの政策執行に関連する支出に充てられた。コロナ以外の医療費は含まれていない。

この3年間、コロナ関連の支出は毎年50%ずつ跳ね上がり、昨年は最高額の711億元に達した。これは省の研究開発費の35%に相当する。

首都北京は15日、コロナの予防と抑止に昨年300億元近く費やしたと発表した。20年比で140%の増加となる。同市は21年のコロナ関連費用を明らかにしていない。

広東省と隣接する福建省は22年、パンデミック対策に前年比56%増の130億4000万元を投入した。先週発表した省政府の予算の中から分かった。過去3年間の当該の支出は、305億元となっている。

中国本土で最も富裕な上海は昨年4~5月にロックダウン(都市封鎖)を余儀なくされた。大手半導体メーカーが工場を構える市内の松江区は昨年、コロナ関連の費用が44億5000万元に達したのに対し、医療費は36億2500万元にとどまった。

中央と地方政府を合わせた昨年1~10月の財政赤字は6兆6600億元。1年前から3倍近い水準に膨れ上がった。CNNが中国政府財政部のデータに基づいて算出した。エコノミストらが試算した昨年通年での赤字額は過去最高となる10兆元だった。

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