土星の衛星「タイタン」の湖に浮かぶ探査機、欧州で計画

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NASAの探査機カッシーニが捉えた土星の衛星タイタンの画像=NASA/JPL/USGS提供

NASAの探査機カッシーニが捉えた土星の衛星タイタンの画像=NASA/JPL/USGS提供

(CNN) スペインの宇宙生物学研究所と民間のエンジニアリング企業セネルが手を組んで、土星の衛星「タイタン」の湖に探査機を浮かべて航行させる計画を提案している。

船舶型の探査機は「TALISE」(北米先住民イロコイ族の言葉で「美しい水」の意味)と名付けられ、タイタンの湖「リゲイア海」に着水させ、航行させる計画。探査は半年~1年をかけ、3段階で実施する。

タイタンには米航空宇宙局(NASA)が過去に探査機を送り込み、地中に液体の水が存在する可能性があることを突き止めている。しかしこの時の探査機は、水上に長時間浮いていられる設計にはなっていなかった。

これに対してTALISEは高度な推進システムを搭載して長時間の浮遊を実現し、さらに多くの情報を収集することを目指す。まだコンセプト段階だが、推進システムは水車型のパドルホイール、空気注入式ホイール、空圧式や水圧式のプロペラといった選択肢を検討。これで探査機を制御して、湖の着水地点から岸辺まで移動できる。探査機は湖の成分やリゲイア海周辺の状況を探査する計画。

研究チームは9月に開かれた欧州惑星科学会議で探査計画について「主な目標はタイタンの環境、湖、炭化水素と窒素を多く含む土壌の成分について特徴を調べること」と説明している。

タイタンは地球に似た環境を持ち、生命の起源について解明する手がかりを秘めている可能性もある。ただし現時点では気温が低すぎて、地球型の生命は存在できないと考えられている。

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