豚肉や牛肉の半数超から耐性菌検出、抗生剤使い過ぎに警鐘 米

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(CNN) 米国で流通している食肉には高い割合で耐性菌が含まれていることが、米食品医薬品局(FDA)の検査で判明した。専門家らは家畜に対する抗生剤の使い過ぎを問題視している。

FDAの全米薬剤耐性菌監視システム(NARMS)がまとめた年次報告書によると、検査対象となった豚の骨付きロース肉の69%、牛ひき肉の55%、鶏肉の39%から抗生物質に耐性を持つ細菌が検出された。さらに七面鳥の生のひき肉からは、検体の81%から耐性菌が見つかった。

また、サルモネラ菌とカンピロバクター菌も相当量が検出された。この菌は米国で年間数百万人の食中毒を引き起こす原因になっている。鶏肉の場合、53%から抗生物質に耐性を持つ大腸菌が見つかったという。

抗生剤は家畜の病気を防ぐためだけでなく、成長促進や不衛生な環境を補うなどの目的で餌や水に混ぜるなどして与えられている。非営利団体(NPO)のピュー・チャリタブル・トラストによれば、食肉生産のために販売された抗生剤は2011年だけで1万3000トンを超え、人間用の約3500トンを大幅に上回った。しかもこの量は増え続けているという。

世界保健機関(WHO)の専門家は昨年、このままでは抗生物質に耐性を持つ細菌が増え過ぎて、抗生剤では疾病に対抗できなくなる「ポスト抗生剤時代」が来ると警鐘を鳴らしていた。

FDAの検査結果はそうした懸念を裏付けるものだと環境衛生監視団体は指摘。FDAに対し、食肉の抗生剤使用に関する規制を強化するよう訴えている。

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