コロンブスの「沈没船」で文化財略奪か、ハイチに保存要請
(CNN) 中米ハイチ沖でクリストファー・コロンブスが500年以上前に率いた船団の旗艦船「サンタマリア号」の可能性がある沈没船が見付かった話題で、米国の海洋探検家は14日、同船が積んでいた文化財などが数カ月前もしくは数年前に盗まれたことを示す証拠を入手したと述べた。
探検家のバリー・クリフォード氏(68)が記者会見で明らかにしたもので、自身とダイバーチームが突き止めたとしている。ただ、略奪が起きた時期については推測としている。略奪の程度については伝えられていない。
歴史番組などの米テレビ局ヒストリー・チャンネルによると、同氏は世界でも有名な海洋考古学者。クリフォード氏のチームが先にサンタマリア号とみられる沈没船の発見を報告していた。
同氏は14日の会見で、ハイチ政府に対し船の残骸保存のため早急に行動するよう要請。同時に自らのチームに調査継続のための許可を与えるよう求めた。「金を探しているのではない。保存のための許可を求めている」と語った。
ハイチのラモット首相の上席顧問はCNNに対し、クリフォード氏の主張に関連し、同国政府当局は沈没船がサンタマリア号なのかは承知していないと指摘。
その上で、サンタマリア号であるならハイチだけでなく世界の歴史においても非常に重要な意味を持つとの同首相の発言を紹介。首相は、船にある考古学的な発見物を適切に保存するための処置を講じなければならないとも述べたという。
クリフォード氏によると、沈没船はハイチの北部沿岸沖の環礁で難破したとみられ、船体の残骸は深さ約3~4.6メートルの海中にある。