時代を超えた美、月面図の歴史をたどる

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ジョン・ラッセル、1797年ごろ

ジョン・ラッセルは英国の著名な肖像画家だが、彼が遺した不朽の名作と言えば30年間にわたる月の観察の集大成となるこの月球儀だろう。

表面の微妙で細かな描写は、ラッセルが芸術性と同様に正確さにも注力していたことを示している。

台座の上で揺れるのは、月が地球から観測した時に見えるかすかな振動運動を再現するためだ。小さな球は地球を表す。

ウィルヘルム・ベーアとヨハン・ハインリヒ・フォン・メドラー、1834~36年

ドイツ人天文学者2人の手による精密な月面図は1834~36年にかけて発表された。当時としては最も詳細で正確な月面図とされ、これを超える図は40年間登場しなかったという。

ウォルター・グッデーカー、1910年

縦横約180センチメートルの詳細な月面図は、じゅうたん製造会社の経営者でアマチュア天文家のグッデーカーが作成した。自宅の望遠鏡をのぞきながら、既存の月の写真なども参照して正確な図の作成に努めた。英天文協会の月部会の長を42年間務めた。

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