着陸機「フィラエ」が彗星に着陸、欧州宇宙機関
(CNN) 欧州宇宙機関(ESA)は12日、彗星着陸機「フィラエ」がチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)に着陸したと発表した。彗星への軟着陸に成功したのは史上初。ただ、フィラエを彗星の地表に固定することはできなかった。
フィラエは同日、母船の「ロゼッタ」から切り離され、地球から5億キロ離れた67P彗星に着陸した。同彗星は重力が弱いため、表面に銛を打ち込んで機体を固定するはずだった。しかしこの銛が機能せず、フィラエをうまく固定できなかったという。
ESAの担当者は記者会見で、フィラエはいったん着地した後に跳ね返った可能性があると述べ、「着陸は1回だけでなく、2回だったかもしれない」と説明。「柔らかい砂地に着陸したのか、それとも別の何かが起きたのか。完全には事態を把握できていない」とした。13日にはさらに詳しい状況が判明する見通し。
それでもESAはフィラエの着陸成功を大きく評価している。ESAのドルダン長官は、「軌道上の彗星に初のランデブーを果たしただけでなく、初めて着陸機を彗星の表面に届けた」との談話を発表した。
ロゼッタ計画の目的についてESAの科学者マット・テイラー氏は、「ロゼッタは私たちの太陽系の歴史にかかわる大きな疑問に答えを出そうとしている」と指摘する。「創生期はどのような状態にあり、それがどう進化したのか。彗星はこの進化にどのような役割を果たしたのか。彗星はどのような仕組みになっているのか」