米本土で初、ハチの一種が絶滅危惧種に 生息数87%減
(CNN) 米魚類野生生物局(FWS)が絶滅の恐れがあるとして指定する生物のリストに、米本土では初めてハチの仲間が加わったことが11日までにわかった。マルハナバチの一種で、学名は「ボンブス・アフィニス」という。
ボンブス・アフィニスは北米に生息する47種のマルハナバチのうちのひとつ。FWSによると、その生息数は1990年代末に比べ、87%も減少している。
ハチは農作物の受粉に大きな役割を果たす。世界の食物の35%はハチが花粉を媒介しているとされ、マルハナバチはトマトやクランベリー、ブルーベリー、メロンの栽培に欠かせない存在だ。
そのハチが世界的に激減している。生息地の消失や気候変動、農薬の使い過ぎなどが原因と考えられる。
FWSの担当者によれば、ハチなどのポリネーター(花粉媒介者)が消えてしまうと受粉は手作業になり、膨大な労働力とコストがかかることが予想される。
ハワイではすでに、ハワイメンハナバチ7種がFWSの絶滅危惧種に指定されている。
国際自然保護連合(IUCN)の専門家、サリナ・ジェプセン氏は昨年12月、CNNとのインタビューで、北米のマルハナバチ全体のうち約25%が絶滅の危機に直面していると警告していた。ボンブス・アフィニスがFWSの指定を受けたことについて、「絶滅を免れる可能性が出てきた」と歓迎する姿勢を示した。